地下鉄

地下鉄の安全性、歴史、構造、建築工法などを簡単に紹介。

地下鉄の歴史

地下鉄の歴史は19世紀のイギリスのロンドンから始まった。1863年1月10日にメトロポリタン鉄道のパディントン駅からファリンドン駅の間、約6kmが開通した(現在のサークル線の一部)。当時のイギリスは鉄道の建設が盛んであったが、ロンドン市内は建物が密集しており地上に鉄道を建設できなかったためである。この路線を計画したのはロンドンの法務官であるチャールズ・ピアソンで、1834年に開通したテムーズトンネルをヒントにしたとされる。車両は開業当初から1905年に電化されるまでは蒸気機関車を使用していた。硫黄を含む煙が発生するため、駅構内は密閉された地下空間ではなく換気性を確保した吹き抜け構造となっていたほか、路線の一部も掘割であった。

地下鉄を意味することも多い「メトロ」という単語の語源は、この「メトロポリタン鉄道」に由来している。そして、その「メトロポリタン鉄道」を語源として命名された、パリの地下鉄の略称である「Metro (Metropolitain)」から世界中にその呼称が広まったといわれている。ただし、英語圏の国では「メトロ」という呼称はあまり一般的ではなく、イギリスでは"Underground"もしくは"The tube"、アメリカでは"Subway"と呼称するのが一般的である。それ以外の国では「メトロ」という呼称で呼ばれることが多い。

イギリスでの開業後はしばらく間があき、30年近くたった19世紀末 - 20世紀初頭に欧米の各地で建設されていく。1875年にトルコのイスタンブルで地下ケーブルカー(イスタンブル・トンネル)が開業した。1896年にハンガリーブダペストでも本格的地下鉄が開業。ブダペスト地下鉄は当初から電化されており、これは地下鉄としては世界で最初の電化路線であった。さらに1898年にはアメリカ合衆国のボストン、そして1900年にはフランスのパリにおいて開通した。ドイツのベルリンでも1880年頃には地下鉄を通す計画が存在したものの反対勢力によって計画が遅れ、開通は1902年であった。

第一次世界大戦が開戦するまでには西ヨーロッパや北アメリカの大都市に、第一次世界大戦中から20世紀半ば頃まではヨーロッパ各地の中都市や日本を中心に建設が行なわれていたが、1970年代以降はアジアなどの発展途上国での建設が盛んになった。

 

参照:Wikipedia地下鉄