地下鉄

地下鉄の安全性、歴史、構造、建築工法などを簡単に紹介。

地下鉄の安全性

地下鉄は雪やひょう、強風、台風、竜巻などには強いものの、地震や水害、火災、人為的危険などには弱く、地下鉄の構造上、これらの被害にあった場合大惨事になる可能性が極めて高い。そのため安全に関する取り組みは開業以前から研究され続けている。

 

地震

かつては地下鉄は地震に強いとされていた。しかし、阪神・淡路大震災神戸市営地下鉄神戸高速鉄道で多大な被害を出した(特に神戸高速鉄道大開駅は上の道路が陥没するほどの被害となった)。後の研究で路線が地下を走行する都合上、路線区間はトンネルとして建設されているため、地形が大きく変動することのある地震には弱いことが分かっている。地盤の柔らかい土地[4]では特に注意が必要である。また、路線上の地面が低海抜の場合は、防波堤の決壊により海水が流入することが想定されるので下記の水害を併発する恐れがある。

 

◯水害

地下鉄のシステムは地面よりも低い位置にあるため、地上に降り注いだ雨などの水が地下鉄の設備に浸入してくる。例えば、2012年10月には浸水によりニューヨークの地下鉄が全面的に停止した[5]。そのため十分な防水・排水設備を持たない場合、水没することもあり得る。このため、地上の駅への出入口を一段高くしたり大雨の時などは駅出入口の防潮板や線路上の防水扉を展開して閉鎖されることがある。東海豪雨などの浸水などがその例である。

 

◯火災

古くに建設された地下鉄などでは、駅や車両の防火対策が十分になされていない例もある。また狭い地下空間で火災が発生した際、十分な給排気設備が整っていない場合は瞬時に煙が充満して被害が一層深刻化することも問題視されている。

1987年11月18日、ロンドン地下鉄キングズクロス駅で起きた火災で31名が死亡した事件では、ロンドンの地下鉄には古い木造の構造物が多く残っていた事が指摘されたが、これをきっかけにして日本では地下鉄駅構内の終日全面禁煙が実施された。

2003年2月18日に韓国の大邱広域市の駅構内で発生した放火による地下鉄火災(大邱地下鉄放火事件)では2編成12両を全焼し死者192名、負傷者148名を出したが、被害がここまで深刻化した原因としては車両の内装に可燃性の素材を使用していたことと駅構内の排煙設備の不備によることが主で、車両の材料が燃焼した際に生じた一酸化炭素などの有害な物質による中毒により死亡した者が特に多かった。また、死亡者には火災現場に後から入線した列車の乗客で当該列車が延焼しはじめた際、運転士が逃げ出すときに運転キー(マスコンキー)を抜き、自動的に扉が閉まった状態になってしまったため、車両に取り残されて焼死した者も多い。

 

人為的災害

1995年3月に東京で起こったオウム真理教による地下鉄サリン事件や、同年7月のパリ・メトロの爆破事件、2005年7月にロンドンで起こったロンドン同時爆破事件など、地下鉄には人為的危険行為に対する脆弱性がある。また、2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件では倒壊した世界貿易センタービル(WTC)の直下に地下鉄の駅があったため、建物の下敷きになって押し潰されたことで駅が破壊された。

 

◯人身事故

前述の様に、トンネルの断面積を狭くすれば地下鉄の建設費用は安く済む傾向にある。同様に地下駅のプラットホームもなるべくなら狭い方がよい。しかしここで問題になるのが人身事故である。通勤・通学のラッシュ時、催事のある時などには大勢の人がプラットホームに集まり、人身事故の起こる確率が高くなる。これを解決するために、ホームドアや可動式ホーム柵が採用されることが増えてきている。ロンドン地下鉄の一部駅などではレールを道床から高くかさ上げして敷設し、転落者を道床に落とし込んで触車させないような構造がとられている。

 

参照:Wikipedia地下鉄

 

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列車運行

地下鉄は大都市における大量輸送を第一の目的としているため、「待たずに乗れる」ことが要求される。そのため多くの地下鉄網では日中の列車運行間隔が5 - 10分程度に設定されている。特にモスクワなどでは混雑時に1分程度に設定されている。

列車は各駅に停車するものが大半だが、東京などでは日中に一部の駅を通過する緩急運転を実施している路線があり、その例として東京メトロ東西線東京メトロ副都心線などがある。ニューヨークでは、上下線に各駅列車用の軌道と急行列車用の軌道がある複々線区間や、上下線の複線軌道に午前と午後で進行方向が逆になる単線軌道を加えた複単線区間が多く存在することから、ほとんどの路線で各駅停車と急行の2種類の列車を走らせている。

世界の大多数の地下鉄網では、保守点検のため深夜から早朝にかけての時間帯には運転を行なっていない。ニューヨークの地下鉄などは数少ない例外で、複々線や複単線区間では深夜や週末に1軌道に保守点検を施しながら残りの軌道で営業運行ができるため、24時間の終日運行を行なっている。

日本や韓国の地下鉄では、営業母体の異なる郊外の通勤鉄道線と地下鉄網の軌道規格を統一することにより、多くの通勤列車を郊外から都心へ直通運転させていることが特徴的である。

 

参照:Wikipedia地下鉄

地下鉄の運営 - 自動改札

多くの路線では自動改札が導入されている。これは大量の人員を捌くためだけでなく、維持費を削減する目的もある。自動改札には専用の切符やカードといった乗車券を挿入して扉を開けるものと硬貨を入れることで回転棒が回るものの2種類が一般的である(後者は運賃均一料金制の場合に導入される)。

日本の地下鉄では磁気情報が記録された切符を自動改札で読み取り、入出場の記録を取って運賃不足を自動判断できる改札機がひろく使用されており、また交通系ICカードを用いた運賃収受システムも急速に普及しつつある。

一方で、ドイツ、オーストリアなどでは信用乗車方式が実施されている。これは駅の改札等を一切廃止する代わりに、抜き打ちの車内検札を行うものである。この場合、正規の切符を所持していない場合、正規料金に加え、その8倍以上の罰金が請求される(これらの国では、他の市内交通機関でも同様の制度が敷かれている)。

 

参照:Wikipedia地下鉄